
2月の夜は静かだ。
夕飯の片付けを終えて、温かいほうじ茶をいれる。
湯気の上がる湯呑みを置いて、何気なくスマホを見る。
その日は特に用事もなかった。
メッセージを送るつもりもなかった。
ただ画面を眺めているうちに、ふと思い出したことがあった。
そういえば最近、「今日何食べた?」と聞いていない。
以前はよく聞いていた気がする。
夜になると聞いていたこと
用事があるわけではなかった。
夜になると、何となく連絡することがあった。
その流れで、「今日何食べた?」と聞く。
返ってくる答えはだいたい同じだった。
「適当に済ませた」
「残り物だった」
「外で食べたよ」
詳しく聞くこともなかったし、献立の話になることも少なかった。
それでも、その一言を聞くと、その日の様子が少しだけ見える気がしていた。
最近は別の話をすることが増えた。
天気のことだったり、仕事のことだったり。
だから会話が減ったわけではない。
ただ、聞く言葉が少し変わったらしい。
聞かなくなった今
会話が減ったわけではありません。
連絡を取らなくなったわけでも、
距離ができたわけでもない。
それでも、
「今日何食べた?」という質問だけが、
自然と出てこなくなりました。
代わりに、
天気の話や、
仕事の話、
体調のことを少し聞く。
気づけば、
食事の話題を、
こちらから切り出すことが、
減っていました。
関係性が変わった、というほどではない
聞かなくなったからといって、
関係が薄くなったとは、
思っていません。
ただ、
あの質問が、
何を確かめるためのものだったのか、
少し分からなくなった。
食べた内容を知りたかったのか。
ちゃんと食べているかを、
確認したかったのか。
それとも、
ただ声をかける理由が、
欲しかっただけなのか。
質問が減った、という変化
会話の量ではなく、
質問の種類が、
少し変わった。
それだけのことなのに、
夜になると、
ふと引っかかる瞬間があります。
「聞かなくてよかったのかな」
「聞いたほうがよかったのかな」
どちらが正しいかは、
分かりません。
ただ、
以前ほど、
食事の様子を、
言葉で確かめなくなった。
見守り方が、少し変わっただけ
最近は、
直接聞く代わりに、
別の形で考えることが増えました。
冷凍庫に何が入っているか。
宅配が届くタイミング。
無理をしていないかどうか。
言葉にしない分、
行動や環境を通して、
想像している感じです。
見守りが、
少し静かな形に変わった、
そんな気がしています。
聞かない代わりに、考えていたこと
「今日何食べた?」と聞かなくなった代わりに、
「これ、送っておこうかな」と考える。
直接聞くよりも、
先回りして用意するほうが、
今の距離には合っている気がしました。
心配が消えたわけではありません。
ただ、
聞く形から、
用意する形へ。
関わり方が、
少しだけ変わった夜です。
Q&A|離れて暮らす家族のごはんについて
Q. 「今日何食べた?」と聞かないのは、冷たいですか?
そう感じることもありますが、
聞かないこと=気にしていない、
とは限らないと思います。
Q. 食事の様子は、どうやって把握していますか?
直接聞く以外に、
宅配の利用状況や、
冷凍庫の話題などから、
何となく想像しています。
Q. 仕送りや宅配は、聞かずに送ってもいい?
一方的にならない範囲で、
「余ってたから」「ついでに」など、
軽い理由を添えるようにしています。
まとめ|聞かなくなった質問を、責めない
「最近、今日何食べた?を聞かなくなった」
それは、
無関心になったからでも、
距離ができたからでもなく、
関わり方が、少し変わっただけ
なのかもしれません。
聞く日もあれば、
聞かない日もある。
結論は出さず、
この変化も、
今の関係の一部として、
そのまま置いておこうと思います。